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母亡き後(09.5.30)日々の暮らしをボチボチと書いています。 お気軽にコメントいただけましたら嬉しいです。


by yasukon20
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「この悲しみの意味を知ることができるなら」

このときにご紹介した本
「この悲しみの意味を知ることができるなら」(世田谷事件・喪失と再生の物語)
入江杏著
 読み終わりました。
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読みは始めると止まらなくなったり 涙で字が滲んで読めなくなったり・・。
そんな繰り返しでやっと でも私にしては早く読むことが出きました。

今年の大晦日で10年を迎えるこの事件ですがいまだに犯人が捕まりません、未解決です。
この本が出版されたのが事件から7年目。
それからさらに3年経ったことになります。
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被害者宮澤泰子さんの実姉 入江杏(ペンネ-ム)さんが書かれた本、犯罪被害者の遺族と言う名の下で苦しまれ 悩まれ 悲しまれ 色々な感情をそのままに書かれておられます。
自分がその身になれば・・と背筋がぞっとします。

最初の発見者は宮澤泰子さんの実母。 その驚きは想像絶するものだと思われます。
警察の捜査の基本としてまず第一発見者が疑われる・・・この恐ろしさ。
このことは以前読んだ本村さんの時にもそうだあった事を思い出します。

事件後何日かして犯人とみなされる人の血液型が分かり 近所の方から「血液型が判明してよかったわね~~」と言われたことにより 残されて悲しみに打ちのめされている自分たちにも容疑がかかっていたことを知ったと書かれています。
なぜ 私たちが妹家族を・・・。

さらに警察からは「狙われたのは妹さん家族ではなく お宅かも知れなかったので用心してください。」とまで言われ 外出も出来なかった怖さを書いておられます。


(記憶)から(住み慣れた街を離れる)までの「死の物語」と (ドン底)から(苦しみからの贈り物)と心の整理がつかれていく過程を書かれた「生の物語」に分かれています。
「この悲しみの意味を知ることができるなら」_a0105023_10451852.jpg
ここで書かれていることは簡単には表現できません。

娘と孫2人を同時にわけも分からず殺害されたお母様のお気持ちは誰もわかるものではないでしょう。
実姉である入江杏さんとご主人と息子さんも同じ。
ご主人は暫くお仕事も休職されています。
息子さんは学校で友達にその事件の事はいっさい内緒で(先生にはお知らせしておられました。)毎日学校生活を送られていました。
それぞれの苦しみの中でも生活をしていかなくてならずそのご苦労は想像を絶します。
今も多分 ひっそりと暮らしておられることでしょう。


自分はクリスチャンではないけどと言われつつも 自分の心の変化していった過程に旧約聖書の「ヨブ記」の事をあげておられます。
聖書を読まれた方ならどなたでもご存知の「ヨブ記」です。
ヨブ記の主人公ヨブは神からこれでもか これでもかと色々な試練を受けます。
それでも神への信頼を失うことなく信じていくヨブですが それでも神はヨブを試されます。
その様が入江杏さんは自分が世間から受ける試練にも似た現象を重ね合わせておられます。
ヨブの妻にさえ「いつまで神を信じているのですか?神を呪って死ぬほうがましでしょう。」とまで言わせています。
友人たちからも「ヨブが何か神に背くことをしたのに違いない。」と言われます。
ついにヨブは神に向って「なぜ?」と問うていくのですが 幾度の問いかけにやっと神の声が届き
「ヨブは自分の悲惨な運命の原因探しをやめた。」(文中から)
この原因探しは被害に遭われた泰子さんも礼君が発達障害という事だったため悩まれどうしてうちの子が・・と葛藤されていたことが記されています。
でもそのうち泰子さんは礼君がいるから「幸せ!!」と日記に書かれています。
入江杏さんももう「原因探し」を辞める・・その時のお気持ちを
「旧約聖書の啓示に満ちた物語の私なりの読み方は、もしかしたら、神学的な解釈とは違うのかも知れない。
でも、意味のない原因探し、因果の追求をやめて、その出来事を受け入れいれることができたとき、光が見えてくる。そう読むと、遠いところにあった「ヨブ記」が身近に感じられる。
(中略)その困難に意味を見出したとき、人は前へと進んでいけるのだろう。」
(文中より)
・・と書いておられます。


現在(本を書かれた当時)絵本の読み聞かせをされたり 絵本作家として絵本を出版されたりしておられます。
姪のにいなちゃん、甥の礼くんによく絵本を読んであげておられたそうです。
本の中に沢山の絵本が出てきます。
私も読んで見たいと思います。

今年もまた大晦日にはニュ-スとして取り上げられることでしょう。
一日も早い解決を!!と願わずにはおれません。
Commented by kosuzume2 at 2010-12-29 15:24
この本、読みたいと思いながらまだ買っていません。
お辛い気持ちや忘れたい事などを冷静に、纏められる事に感動しています。素晴らしい理性と知性の持ち主です。

私の親友も、これでもかの試練を受けています。
クリスチャンではありませんし、聖書を読まれた事がおありか?は聞いていりません。

手作りジャム・紫蘇の実を保存食・オレンジピーる等々、こまめに作っては送ってくれます。
知らなければ優雅で暇な趣味の人にしか見えませんが、ある時彼女の想像を超えた試練の様子を知って言葉を失いました。
丈夫で大きなな堪忍袋を持っていますから、何でもどうぞ~絶対にもれませんからと、私を受け止めてくれます。

そんな人生を辛いとか嫌だとか誰かを憎いとか思ったことはないそうです。
自分にしか出来ない事だから、出来ることをしているだけ・・・と言います。
私だけが何故?と思う事もないのか超越したのか・・・逞しい心の持ち主です。

犯罪被害者の家族も一時加害者を疑われる事は知っていましたが、加害者の家族も悲惨な運命に翻弄されるようです今朝の新聞で読みました。それもお気の毒です。
Commented by yasukon20 at 2010-12-29 21:48
★kosuzumeさん
こんばんは!
もし本屋さんで見かけられたら是非読んでみてください。
入江杏さん 確かに賢い方で最初のほうで教養があり勉強された方なんだろうなぁ~って思える文章でした。
プロフィ-ルを拝見して納得でしたが でも決して難しくもなく私でも読めました(^^ゞ
以前にもお聞かせいただいたお友達ですね。
きっと何事にも悟っておられるのですね。
私などは到底真似は出来ませんでしょう。
また事件が起こった日となりますが4人のご冥福をお祈りしたいですね。
Commented by himekagura at 2010-12-30 10:10 x
この事件が起きた当時、こんなに長く解決しない事件になるとは思いもよりませんでした。本当にお気の毒だと思います。
辛い経験をこうやって一冊の本にまとめられるのはすごいことですよね。
yasukonさん、分かりやすくご紹介して下さってありがとうございました。
Commented by yasukon20 at 2010-12-30 14:24
★himekaguraさん
こんにちは!
年末のあわただしい中コメント有難うございます。
本当に長引いておりますね。
お気の毒です。
本を出されることによってまた新しい第一歩を踏み出されたかも知れませんね。
お母さまの方はやはり精神的苦痛から身体のあちこちが具合が悪くなれたようなのでその後どうされたか心配です。
一日も早い解決をお祈りしたいですね。
今年も有難うございました。
来年もまた宜しくお願いいたします。よい年を・・・。
Commented by Loveママ at 2010-12-30 15:53 x
この事件からもう10年ですか?
この前もニュースでやってましたが、
友達が世田谷にいるので、何か嫌な事件と思ってました。
事件が解決されることなく、10年の月日が経つのですね。
被害者側もやはりいろんな思いになるのですね。
娘とお孫さんを殺された気持ちなんて誰もわかるはずもなく、
でもこうして本とされその方の気持ちが書いてあるとわからなくても気持ちに近づく事は出来るのかな?って思いました。
私も時間が出来ましたら是非読みたいと思ったご紹介の本でした。ありがとうございました。m(__)m
Commented by ゆんこ at 2010-12-30 19:13 x
こんにちは。

もう10年ですか。
私もこの事件はすぐに解決するだろうと思っていました。
身内がつらいことになっているのに、さらに自分達が疑われる・・・。人間って残酷ですね。それを「試練」ととらえるのもなかなかできることではありません。

被害者のお嬢様のお名前が姪っこと同じなんです。だからずっと気になっています。
どうか一日も早い解決を、そしてご遺族の方々の心の平安をお祈りいたします。
Commented by yasukon20 at 2010-12-30 21:04
★Loveママさん
こんばんは!
世田谷にお友達が居られるのですよね。
犯人の遺留品も沢山有るという事で直ぐにも解決しそうでしたがなかなかですね。
当事者のお気持ちには到底近づけないと思いますが その心の変わっていく様はまたどこかで何かにつまずいて苦しむ時の自分の心の支えになっていくような気がします。
勿論事件を忘れてはいけませんが それだけが目的の本ではないと思いました。
考えさせられました。
機会が有りましたら是非読んでみてくださいね。
Commented by yasukon20 at 2010-12-30 21:10
★ゆんこさん
こんばんは!
10年ってアッと言う間でも有るようで長い歳月ですよね。
当事者はそれはそれは長い時間だと思います。
けっして心が安らかになることはないかも知れませんね。

にいなちゃん  そうですか~。
可愛いお名前ですよね。 1を言えば10でも100にでも理解していく賢いお嬢さんだったそうですよ。
天国では親も子もなく・・・とよく聞きますがこの4人にはいつまでも家族で仲良くしていて欲しいなぁ~って思うのですよ。
Commented by アリス at 2010-12-30 21:57 x
こういった事件に心を寄せられるyasukonさんに感心です。。。世の中には本当に頭が下がるばかりの方がおられますね。つい自分のことばかりに必死になってしまいます。
今年も後わずかばかりとなりましたね。良い時間をすごしておられますか?いろんなことに感謝して元気に年を越せることを喜びたいと思います。
今年もいろいろとお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
Commented by misaodosu at 2010-12-30 22:54
yasukoさん 
今年も一年、いろいろとありがとうございます

いろんなことに目を向け、心を向けておられるyasukoさんに励まされ、学ぶところがたくさんありました

今年も残すところあと1日ですね 
新年お迎えの準備は万端でしょうか?

どうぞ
来る年もよろしくお付き合いくださいませ~

良いお年をお迎えください
Commented by tablemei2 at 2010-12-30 23:03
今年も一年どうもありがとうございました。
yasukoさんも大切なものが再利用されて、喜んでいるようですね(↓)^^
金沢の手ぬぐいも粋で素敵~^^

よいお年をお迎えくださいませ。
Commented by yasukon20 at 2011-01-02 15:03
★アリスさん
お返事が遅くなりました。
今年も宜しくお願いいたします。
この本を出されるのに7年もかかっています。
大変な時間だと思います。
癒されることはないと思いますが少しでも心を寄せることが出来たらと思います。
アリスさん お元気で越年されたことでしょうね。
また私の知らない世界のお話いっぱい聞かせてくださいね。
Commented by yasukon20 at 2011-01-02 15:06
★操さん
お返事が遅くなりました。
今年も宜しくお願いいたします。
色々なことに興味を見出すことだけはなくしたくないと思いますがどうなることでしょうね(笑)
怠け者ですから・・(^^ゞ
今年もまだお辛いお気持ちでしょうがどうぞ明るく元気にお過ごしくださいませ。
お祈りしております。
Commented by yasukon20 at 2011-01-02 15:08
★teblemeiさん
お返事が遅くなりました。
今年も宜しくお願いいたします。
ご心配を抱えられての越年でしたでしょうが お祈りしておりますね。
今年も色々と素敵なアイディア 楽しみです。
楽しませていただくこと嬉しく思っています。
寒さが厳しいですね。
お大事にしてくださいね。
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by yasukon20 | 2010-12-29 09:12 | | Comments(14)